社長と秘密の生活
目の前に広がった景色は、ホテルのスィートを思わせる、素晴らしい家具と調度品が飾られていた。
「今日から、ここに住んで頂きます。間もなく、社長が一度こちらにいらっしゃると思いますので、申し訳ありませんが…コーヒーの用意をして頂けると助かります」
沢田さんは、キッチンの方を指さし微笑んだ。
「あっ、はい。承知しました」
沢田さんは案内が終わると、仕事へと戻って行った。
私は“今日から仕事”って言われたから、てっきり仕事場へ案内してくれるものだと思ったけど。
そういえば、特別な仕事だから住居も決められた所って言ってたっけ?
もしかして……ここに住めって?
まさか……ね。
こんなハイクラスなお部屋に住めるハズが無いじゃない!!
それに……一通りの家具は揃ってるけど、人が住んでるようには見えない。
やっぱり、ここで打ち合わせか何かかな?
いや、待って!!
沢田さんさっき……
『今日からここに住んで頂きます』って、言わなかった?