社長と秘密の生活



「じゃあ、料理教室に通うのは?」


俺は杏花の好きな“料理”をもっと楽しませてやりたくて…。


「えっ?料理教室?けど…出歩くのは…危ないんじゃ…?」

「昨日ので、カズの彼女ってことになってるから…ここから通えば……」

「ホント?」


確かに危険かもしれない。

けれど、返って堂々とカズの彼女で通した方がいい気もする。


俺と距離を取ったまま…

カズの彼女として普通に暮らした方が。


「あぁ。沢田に相談してみる…」


良い教室が見つかればいいが……。

俺がしてやれる事なんてたかが知れてる。

杏花の望むもの全てを叶えてやりたいが…

今のこの状況ではあまりに無理がある。



修矢に気付かれずに見つけないと…


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