社長と秘密の生活
「姫君のご機嫌は、如何がすれば良いのでしょうか?」
俺は杏花の左手薬指に輝く指輪に口づけをした。
そして……杏花を見上げて…。
「要?どうしたの?」
杏花はポカンとした表情で俺を見下ろす。
「姫と…また暫く離ればなれになるので…どうしたものかと……」
「ウフフッ。じゃあ、お姫様抱っこしてくれるかしら?」
杏花は俺の手のひらに添えてる手を
お姫様のようにちょこんと指を揃えるように乗せ直し
少し照れながら小首を傾げた。
「仰せのままに…」
俺はスっと立ち上がり、
ソファに座る杏花を軽々抱き上げた。
杏花は恥ずかしそうに腕を俺の首に絡ませ、
嬉しそうに俺の肩に頭を乗せた。
フフッ……久しぶりだな。
杏花に甘えられるの。
「重かったら、下ろして良いからね?」
「重くねぇよ」
「じゃあ、もう少しこのままでいい?」
「あぁ…」