社長と秘密の生活


俺は杏花を抱いたまま、部屋中を歩いた。

杏花は目を瞑ったまま、微笑んでいる。


和成のマンションはそれほど広くはないが、

杏花が片付けているのか、

必要なモノ以外ほとんどない。

小ざっぱりとした感じでスタイリッシュな部屋。


俺はリビングを通り、廊下を行き来する。

杏花が使っていると思われる部屋のドアが、

開けっ放しなのをいいことに

俺はベッドの上にそっと下ろした。

杏花は急に下ろされ驚いてる。


「杏花、ごめん。残りの時間…俺のお願い聞いてくれる?」

「えっ!?何……??」


杏花は下ろされた場所が場所なだけに

かなり驚きアタフタしている。

けど、俺にはゆっくりする時間が無い。


「こういうこと」


俺は杏花を押し倒し、少し強引なキスをした。

片手は拘束するように指を絡ませ、

もう片方の手は杏花の後ろ首を支えて。


「…っん……かっ…ッなめぇ…?」


塞いだ唇の隙間から俺の名を呼ぶ。


「黙って……このまま……」

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