社長と秘密の生活


そうだ!!

要のとの結婚はあの条件がある事を…。


「けど、結婚式も挙げて無いのに…赤ちゃん出来たら、やっぱりショックでしょ?」


私はそれとなく訊いてみた。

もしかすると、事後報告になり兼ねないもの。


「ちゃんと、愛し合って出来た子なら嬉しいわ。じゃないと、子供がかわいそうでしょ?」


お母さんの考えは正しい。

たとえ妊娠したとしても、私と要が望んで出来た子供なら

きっとお母さんは認めてくれる。

………そうに違いない。


「…………うん。そうだね」

「お母さんは杏花を信じてるから。彼を手放さないように…頑張んなさい?」


お母さんは、交際中の彼を逃がさないようにと…

優しく優しく言葉を掛けてくれた。


「………はい……」


その後も、恋バナは尽きなかった。

お母さんはすごく優しくて、私を安心させてくれる。


私もこんなお母さんになりたい

―――――そう思った。

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