社長と秘密の生活



実家から和成さんのマンションに戻ると、

料理教室へ通えるようにすでに手続きが済んでいた。

和成さんのクライアントらしく、

安全面も問題なし…との事。


手渡された身分証には、“杏花”の名前が。

……名前だけ? 変な名札。


「和成さん。いつから通えるんですか?」

「えーっと、火曜と金曜だから…明日から通えるよ?」


和成さんは書類らしき用紙を見ながら…


「わぁ~嬉しい!!」

「良かったな?」

「はい、有難う御座います。何てお礼を言ったら良いのか…」

「それは気にしなくていい。俺は紹介しただけで、手続きは沢田さんだから」

「沢田さん?」

「あぁ。詳しい事は言えないけど、“一見さんお断り”らしい。通っている人は、どこぞの奥様方らしいよ」



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