社長と秘密の生活
「では、早速始めましょうか!?」
「はい。宜しくお願い致します」
私は荷物を置き、エプロンを身に着け…手洗いをした。
今日は和食を作るらしい。
用意されている食材はどれも高級なものばかりで、
『一見さんお断り』に納得せざるを得ない。
調理に夢中で、あっという間に時間が過ぎた。
家庭や仕事の事には触れてはイケナイという
“暗黙のルール”があるらしい。
まぁ、集うマダム達はどこぞの奥様方だから、
言えない事も沢山あるのだろう。
だから、調理中は“どんな料理が好き?”とか、
“こんな料理が作ってみたい”など…。
話の内容は料理中心。
まぁ、私もプライベートを訊かれずに済んで良かったぁ。