社長と秘密の生活
25.拉致
目が覚めると、すでに要の姿は無かった。
隣りに寝ていたであろう場所に手を。
………冷たい。
きっと、私が寝静まった後に行ってしまったんだわ。
見送りくらいしたかったのに……。
天井を見上げて手をおでこにかざすと、
―――――シャラッ……。
……ん?
アレ……??
手首には見慣れぬブレスレット。
淡いピンク色の石が朝日に照らされ
キラキラと輝いて見える。
きっと、要からのクリスマスプレゼントね。
私は思わず、ブレスレットにキスをした。
要………ありがとう。
――――大切にするね。
時計を見ると、もうすぐ6時。
大変!!
和成さんが来る前に着替えないと。
さすがに裸ってワケには……。
って、私………ドレスしか無い。
えっ?!
コレ着て……帰るの!?