社長と秘密の生活
俺は部屋に戻り、
横たわる杏花の傍らで…
顔や髪をそっと指先で触れた。
寝顔はいつもの杏花だが、
化粧が崩れ、目の周りが黒ずんでいる。
恐らく、恐怖で泣いたんだろう。
杏花ぁ……ごめんなぁ。
俺は罪悪感で胸が押し潰されそうに。
すると、
―――コンコン
俺は杏花を起こさないように、
静かにそっとドアを開けた。
すると、
本田が湯の入った桶にタオル、
着替えと薬箱を持って立っていた。