社長と秘密の生活
控室に到着した俺に、
「社長、こちらです。お衣装はあちらに」
「あぁ。後のことは頼んだ」
「はい、承知致しました。では、社長のお召替えを…」
「「はい」」
沢田の合図で年配の女性2人が
衣装を持って近寄って来た。
俺は着ているスーツを脱いで
女性2人に召し替えさせられた。
「とっても良くお似合いでございます」
「素敵なお式になりますように…」
2人は着替えさせ終わると、静かに部屋を後にした。
―――良く似合う?
俺の服じゃないし。
―――素敵なお式に?
って、俺の式じゃねぇっての!!
まぁ、そんな事をあの2人に話した所で
どうにかなるワケじゃないが。