社長と秘密の生活
「はぁぁ~~ぁ~~。知らなかったのは俺だけかよ!!」
俺は着物姿のまま床に座り込み、
大きなため息を吐いた。
マジでカッコ悪すぎだろ。
すると、杏花が俺のそばに寄って来て
「要、ごめんね?騙したかったワケじゃないんだけど、お式をしてくれるって言うから、つい話に乗っちゃったの」
杏花はばつが悪そうに少し屈んで
苦笑しながら俺の手にそっと手を重ねて。
俺はそんな杏花に微笑んで、
仕方なくスッと立ち上がり、深呼吸。
そして杏花の手を取り、杏花の両親の元へ。
「順序が逆になって申し訳ありません。これからも杏花と共に力を合わせて、温かい家庭を築いて参ります。どうか、これからも宜しくお願い致します」
俺は改めて杏花の両親に深々とお辞儀をした。