社長と秘密の生活


私が驚いていると小夜さんが


「杏花さん、ごめんなさいね?会いに行く前に着替えて貰っても宜しいかしら?」

「えっ、あっ……はい」


あーなるほど、そう言うことね。

やっぱり、社交界デビューなんだわ。

このワンピースじゃダメってことなのね。

このワンピースだって決して安くないんだけど。

だって、要に買って貰った物だもの。


小夜さんは無言の笑顔で部屋を後にした。

すると、メイク担当の使用人さんが


「杏花様?」

「あっ、はい」


笑顔で小椅子へと促して来る。


私は観念して、

促された小椅子に腰を下ろした。


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