社長と秘密の生活


私は今の自分の恰好から、

この後の事を想像して急に心臓が騒ぎ始めた。


「あの、本当に行かないとダメですか?」

「もちろん!!うちの人がもう先に行ってるのよ?」


小夜さんの笑顔が無言の圧力となり、

有無を言わさず…

結局、その場所へと向かう事に。


ドレスはマーメイド調で

胸元とトレーン(後ろの引きずり裾)部分に細やかな刺繍。

袖は無く、肩部分も無い。

いわゆる……ビスチェタイプ。


背中もガッツリ開いていて

スタイルが良くないと着こなせない。


とてもじゃ無いけど、

人前に出れるようなスタイルは持ち合わせていない。


……どうしよう。


こんなハイレベルのドレスで人前になんて出れないよう。


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