社長と秘密の生活
人気の無い部屋に通され、
『少し待ってて下さるかしら?』と、
小夜さんは言い残し、部屋に1人取り残された私。
革張りのスツールに腰かけ、
ドレスにしわがつかないようにと
緊張しながら待っていた。
すると―――、
―――ガチャッ
ドアが開く音がして、
私は無意識にドアの方へ視線を。
「要?!」
「杏花!?ここで待たされているのか?」
「あっ、うん。この後の事、要は知ってるの?」
「いや、知らない。俺もさっき沢田にコレ着ろって手渡されたばっか」
「そう……なんだぁ…」
要も知らないんだぁ。
って事は、会長夫妻のお客様って事?
一体、どんな人に会わされるの?