社長と秘密の生活



人気の無い部屋に通され、

『少し待ってて下さるかしら?』と、

小夜さんは言い残し、部屋に1人取り残された私。


革張りのスツールに腰かけ、

ドレスにしわがつかないようにと

緊張しながら待っていた。

すると―――、


―――ガチャッ


ドアが開く音がして、

私は無意識にドアの方へ視線を。


「要?!」

「杏花!?ここで待たされているのか?」

「あっ、うん。この後の事、要は知ってるの?」

「いや、知らない。俺もさっき沢田にコレ着ろって手渡されたばっか」

「そう……なんだぁ…」


要も知らないんだぁ。


って事は、会長夫妻のお客様って事?

一体、どんな人に会わされるの?


< 494 / 557 >

この作品をシェア

pagetop