社長と秘密の生活


「っん!?あれっ?ん~っ?………ぎゃぁあ――――――――!!」


彼女は慌てて飛び起きた。


「どっ、どうしてここにいるんですか?」

「ここ、俺んち」

「えっ!?」


杏花は寝起きで気が動転してるのか…

昨日の事を思い出している様子。


「あっ!?婚姻届!!」

「やっと思い出したみたいだな?さっき出して来た。ちゃんと受理されたから、もう、俺たちは夫婦だ」

「………」


彼女は驚いた様子で固まっている。

俺はそんな彼女の髪を手で梳いて優しく頭を撫でた。


まぁ、ムリも無いか。

昨日無理やり婚姻届に印を押させて…

時間だってまだ半時も経って無い。

俺だって、まだあまり実感湧いて無いし。


彼女は俺がここにいる事も、ベッドに潜り込んだのも…

今こうして優しく微笑みながら髪を触っている事さえ…

理解出来ずにアタフタしてる。


俺はそんな彼女が仕事の時の大人びた彼女と違って見えて、可愛く思えた。

フッ。

この俺が女を“可愛い”と思うなんてな。


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