社長と秘密の生活
「では、パッケージのデザインはこの花の形でいいですか?」
杏花が社員の顔を見回し、確認している。
「うんうん、賛成!!」
「あぁ、俺もそれが1番良いと思う」
「反対意見は無いという事で……いいですね?」
「「「 ありませ~ん 」」」
まるで幼稚園児が返事をしているみたいに。
「それでは早速、印刷会社と原版作りに移りますね?」
杏花は至って普通なんだが。
「助かるよぅ~。ねぇ、杏花さんって何の香水使ってっるの?」
「はっ?香水ですか?特に使ってませんけど」
「えっ!?使ってないの?凄いいい匂いがするよぅ?」
「あぁ、いつもすげぇ甘いいい匂いがするよなぁ?」
「「「するする~」」」
杏花を取り囲む男子社員4~5人が一斉に口にする。
――――杏花の甘い香りを……。