社長と秘密の生活
「ハネムーンって言っても、観光とかじゃなくて、その……そういう事を“し”に行くって感じで……」
「まぁ、否定はしないな。だが、観光や買い物がしたいなら、好きなだけさせてやる」
「やっぱり……契約………」
彼女はボソッと呟いた。
「っん!?」
「……もう………いい……」
杏花は小声で呟いた後、全く話さなくなった。
ただ、流れる景色を眺めるだけで。
きっと…強引に結婚を迫った挙句、
職務と称して“子づくり”を強いる俺に呆れているんだろう。
まぁ、俺だって今まで散々遊んで来たし。
女が喜びそうな言葉を掛けれない事もない。
だが、遊びの女と“妻”という立場の女。
何かが違って思えるのは何故だ?
女なんて皆同じじゃないのか?