社長と秘密の生活
コテージの部屋の中で…
「なぁ、杏花。何で怒ってんだよ?」
「別に怒ってるワケじゃないから」
「じゃあ、なんで不機嫌なんだよ?」
「…かっなめに言っても通じないと思う……」
「そんなことねぇって。いいから、言ってみろ」
杏花は少し考えて、ポツリポツリ話し始めた。
「要は今まで、こういう所に女性と何度も来てるでしょ?それに“契約”なんだし。そういうことをしに来てるって、分かるんだけど……」
「けど?」
「この前話したけど、私……初めてだから、せめて…好きになったり、私のこと想ってくれる人にされたいなぁって思っただけ」
「なんだ、そんなことか…」
そういう事か。
なるほどな。
俺が“愛が無くても女は抱ける”発言が引っ掛かってるみたいだな。
まぁ、処女なんだから……夢は見るよな?
好きな人に初めてを……って。