社長と秘密の生活


お風呂上がりだから?

この熱いのはお酒のせい?

………違う。

これは要のせいだよね?


私は今までにないくらいの緊張で、どうにかなりそう。

治まりそうに無い激しい鼓動。

あまりの激しさに壊れてしまうんじゃないかと思うくらい。

胸元で握りしめる手が勝手に震え出す。


目をギュッと瞑っているハズなのに、

彼の指先の動きが鮮明に判る。



彼の吐息と衣擦れの音が…

静まり返る部屋に響いてる。


身体中が要の感触を確かめるように。


息苦しさの中、

全神経が彼の指先に集中する。


肌に伝わる彼の指先のぬくもりを感じて。


< 79 / 557 >

この作品をシェア

pagetop