人間




「どうしたの?…よく言うね。」

華織はわけがわからないというふうにこっちを見ていた。

「この前華織に助けてもらったお礼をしようと思って華織の家に行ったんだ。庭におばさんがいて、おばさんは華織たちは部屋にいるって。だから部屋に行ったんだ。…ねぇ。あの日何の話しをしていたの?」

私は笑顔でそう尋ねた。

3人は死人のように顔を真っ青にしていた。

「まさか自分の信じている人達に裏切られるとは思わなかったよ。さつきなんて小学生からずっと一緒だったのに…。嫌いだったなら一緒にいなければよかったのに。」

私がそういうと、華織は開き直ったように

「そうだよ。あんたなんか友達だと一度も思ったこと無いよ!都合がよかったから一緒にいただけ!あんたなんか早くいなくなればいいのに!」

そう言った。

少しだけ…ほんの少しだけ、もしかしたら、聞き間違えなんじゃないか。と思っていた。

でも、違う…。

私の決意は固まった。



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