心まで抱いて・・・。

その頃、修二は、郁美の家の前に着いた・・。

部屋の電気が消えている・・。

もう寝たのかなと思い、郁美が帰って来るまで

マンションの前で待っていた修二・・。

この日も春なのに雨が降ってきた。

彼女達の出逢いは、なぜか雨の日が多い・・。

これも２人への巡り合わせかもしれない・・。

その頃、郁美は、気分転換にコンビ二に行って帰ろうとしていた・・。

傘を差しながら修二からの携帯の着信もメールもない・・。

あんな事されても修二が好き・・。

郁美にとって修二が運命の人だと信じていたから・・。

そんな事を思いながら帰ると・・。

すると、マンションの前に誰か腰掛けていた。

誰・・？

その姿は、修二だった・・・。

どうして・・？

郁美は、その場で固まっていた。

修二をじっと見つめていた。

その視線に気がついた修二・・。

「郁美・・・。」

「修二・・・。」

降り積もる雨が強くなる中、修二は、郁美を抱きしめた。

「郁美・・ごめん・・・。」

「修二、離して。お願い！！」

「嫌だ。お前の事好きだから、心から愛してるから・・・。だから、俺の傍から離れないでくれ・・。」

「修二・・・。その傷・・・。」

「情けないけど、博に殴られた。」

「佐野君に？」

「ああ、話は博から聞いた。・・俺、ホント自分でもすっげえ不器用で情けないって思ってる。
あんな事するつもりなかった・・。郁美がささっちといる顔見たら自分よりも嬉しそうな顔してるからそれが凄く辛かった・・・。」

「修二・・・。」

「俺も、大人になるから・・。それに、郁美とのこれからを大事にしていきたい。・・俺のかけがえのない人でいてくれ・・。」

ずぶ濡れになり、雨の中抱き合う２人・・。

「・・修二の気持ち分かったから。・・来て。」

郁美は、修二を部屋に入れた。