幸
―それは中3の夏
「ただいまー」
・・・?
学校から帰ると家には誰もいなかった。
テーブルの上には多額の残金が記された通帳と1通の手紙。
“優奈へ
お母さんとお父さんはもうこの家には帰ってこられません。
優奈には迷惑かけると思うけど、優奈ならきっと一人でも大丈夫だよね。
本当にごめんね。
お母さんとお父さんより“
「うぅ・・・ヒック・・・グスっ。」
涙が止まらなかった。
大好きなお母さんとお父さんが出て行った。
そんな現実受け入れたくなかった。
私はひたすら泣いて、いつの間にか眠っていた。
「ん・・・」
朝起きるとしんとしていた。
私は腫れた目を冷やすと、学校にいった。
それからはずっとひとり。