《短》狼の中の狼Ⅱ


──放課後──


「くそっ。丸山め。」


授業中に夢の世界へと旅立ってしまった俺は、数学教師の丸山に居残り宣告を受けてしまっていた。


「もうこんな時間じゃねぇか…。」


時計の針は、午後6時を示していた。

想定外の長時間の居残りは、俺の気力を奪っていくと共に、俺の大切な時間までも奪ってしまっていた。

出された課題の多さに溜め息を漏らし、足早に家路につくことにした。


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