present for you
 なにもかもにすっかり諦めモードで、ただダラダラとしていた私にボランティアの要請が舞い込んできた。
地元で毎年恒例の地域のふれあいイベントがあり、母親がその実行委員の一人な為無理矢理駆り出される事になった。

 私に割り当てられたのは小さな体験コーナー。近くのバラ園から譲り受けたバラなどの花を使い、フラワーアレンジメントをする。
オアシスに適当にバラやらカスミ草やらを挿して、容器となる牛乳パックに画用紙、シール、リボンで飾り付ける。
簡単だけれど結構かわいらしく、小学生の女の子にはなかなか好評で、今も女の子二人が楽しそうに話している。
「めっちゃかわいくできた」
「これ学校に持って行って良いかなぁ」
「先生に見せるん?」
「転校生のあの井上くんと話せるかもしれんじゃん」
 きゃあきゃあ高い声で喋る二人を羨ましく思いながら片づけをする。
「ありがとうございました」と元気よく帰って行った二人を見送ると、私一人ぽつんと残された。
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