信じる

幸樹:「ねぇ、電話していい?」


ある日突然君にそう言われた。

杏里:「いいよ。」

ずっとメールだったから
ちょっとドキドキした。

♪〜

ピッ


杏里:「もしもし。」

幸樹:「いきなりごめんね。」

杏里:「大丈夫だよ。」

幸樹:「そういえば、あと1ヶ月で12月じゃん。」

杏里:「ねー。ちょー早い。」

幸樹:「あー、彼女ほしーい」

杏里:「なんで?」

幸樹:「クリスマスを彼女と過ごしたい。」

杏里:「あー、確かに。笑」

幸樹:「でも俺全然できねーんだよ…泣」

杏里:「幸樹なら彼女できるって♪」

幸樹:「…クリスマスまでにだよ?」

杏里:「できるよ。」

幸樹:「なんでそんなこと言えんの?」

杏里:(だってウチ、幸樹のこと好きだもん。なんて言えないし。笑)

そう。
ウチはもう好きになってた。
いつの間にか
幸樹っていう
たった一人の男の人に
気づかないうちに
惹かれていた。

杏里:「…なんとなく。笑」

幸樹:「ですよねー。やっぱそうなっちゃいますよねー。」

杏里:「あー、ウチも彼氏ほしいよー」

幸樹:「杏里はすぐできるでしょ。」

杏里:「なんで?」

幸樹:「可愛いから。」

杏里:「いや、可愛くないし。」

幸樹:「俺は個人的に好きだよ」


…なにそれ。
なんでそんなこと言うの?
そんなこと言われたら
もっと好きになっちゃうじゃん。


杏里:「そんなこと言ったら幸樹だって格好いいからすぐ彼女できるじゃん。」

幸樹:「格好よくないんでやめてくださーい。ってゆーかなんだ、この誉め合い。笑」

杏里:「確かに。笑」

幸樹:「もー、杏里があんなこと言うから変に期待するだろー」

杏里:「期待すれば?笑」

幸樹:「杏里、そんなこと言ってるとお持ち帰りするよ?笑」

杏里:「…いいよ。」

幸樹:「…お持ち帰りの意味わかってる?」

杏里:「うん、わかってるよ。」

幸樹:「まじかよ(笑)冗談はよせ、杏里。」

杏里:「だよね。笑」

杏里:(冗談じゃないのに…)

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