信じる
ウチらは
いつの間にか
お互いを好きになっていて
気づかない間に
相手の何かに惹かれていた。
“次の女で最後にする”
その言葉がたとえ嘘でも
今のウチにとっては
充分すぎるくらい
嬉しかった。
学校...
美和:「どうしたの?」
杏里:「なにがぁー?」
美和:「最近いいことでもあったの?」
杏里:「なんで?♪」
美和:「いや、うざいほどウキウキしてるから。」
杏里:「一言多いです先輩。」
美和:「え、じゃぁキモいくらいウキウキしてるから。」
杏里:「言葉変えればいいって問題じゃなぁーい!!」
美和:「(笑)。で?なんかあったの?」
杏里:(美和には言いたいけど、どうしよう。まだ言わない方がいいのかな…?)
杏里:「べっつにぁー?」
美和:「うわっ、うざ!!」
杏里:「え、ひどっ!」
美和:「ついこの前までは彼氏ほしーってうるさかったのに……もしかして、彼氏できた?」
杏里:「まっさかぁー(笑)できるわけないじゃん、女子高だし。」
美和:「まぁ、彼氏候補は一人いるけどね。」
杏里:「誰?誰?」
そう言って机に身をのり出す
美和:「幸樹。」
杏里:「あ…。」
美和:「なに?」
杏里:「いや、なんでもない…。ってゆーか不良はなぁー。」
美和:「えー、ダメー?あの子、結構優しいところあるよ?」
杏里:(知ってるよ。もう付き合っちゃってるし…笑)
杏里:「まぁ、いつか素敵な人見つけるわ♪」
キーンコーンカーンコーン…
先生:「おーい、席つけー」
杏里:「じゃぁ、あとでね。」
美和:「うん、彼氏できたらちゃんと言えよー?」
杏里:「もちろんっ」
その言葉に
ちょっと、胸がチクッとした。
美和には言いたいけど、
勝手に言っていいのかわかんなかったから、
その日からずっと
言えないでいた。