パパはドクター
部屋には私と彼方だけになった。
「仕事で大変だったのに、ごめんなさい。」
「何謝ってるの??大河と椿は俺たちの子供だよ。診察するのは当たり前だよ」
彼方は私の考えをいとも簡単に正してくれる。
「それよりも、奏は俺じゃなくて、空に頼るんだ」
彼方はいじけていた。
「それは…彼方は忙しいじゃん。空先生が保育所まで乗せて行ってくれるっていうからそのまま甘えちゃった。ごめんなさい」
「俺はそんなに忙しくないし、子供たちのためなら少しでも早く帰れるようにするのに…。今度からは、空じゃなくて俺を頼って」
彼方は私を抱きしめた。
「怖かった。このまま椿が発作起こしたらどうしようって…怖かったよ」
「よく頑張ったな。今日は急患に子供たちに疲れただろ。先に寝てろ。子供たちは俺が診てるから大丈夫だよ」