パパはドクター
「少しね。でも大丈夫だから」

私は飛び切りの笑顔を空先生に向けた。

「少しじゃないでしょ。顔色も悪いし、冷や汗も出てる。とりあえず横になりましょう」

私は動いたことが引き金となり、喘息が出てしまった。

「ゴホゴホ……ヒューヒュー…ゴホッ…」

私の異常な呼吸音に気が付いた空先生は

「大丈夫?奏さん…それ、喘息だよね。吸入器は?」

私は頷き、バックを指さした。

空先生は私のバックから、吸入器を取り出すと、持ってきてくれた。

「奏さん。ゆっくり、呼吸してください」

空先生の声に合わせてゆっくり呼吸をした。
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