不思議な出会い
ーー昼休みーー


「あ...あのっ!亜実先輩!!」

「ん?」

「ああ、毎年恒例のやつ?」

「ちょっ栞!今どこから来たの…」

「窓からだけど?ここ1階だし」

「塀、乗り越えて来た私のこと言えないんじゃない?」

「だって近道だったし…
それより、ほら!女の子待たせてるよ」

「あ。ごめんごめん!」

「た……
た、体育祭のハチマキもらえませんか?///」

「あのね、嬉しいんだけど...
好きな子には自分からハチマキ渡しに行くから。
待ってて?」

「はっ、はい!!///」

……………………………


「ちょーっと!何があった?
毎年、しどろもどろで困ってるあんたが...」

「直哉先輩から教わったの!
これはいいね〜」

「へぇ。
あの愛想ふりまき王子がいかにも言いそうなことだわ。
でも、いいの?
あんな男前なこと言っちゃって。」

「どゆこと?」

「あんなこと言ったらもっとかっこいいってファンの子たち盛り上がっちゃうわよ?」

「それで?」

「ファンは増え続け、ハチマキを要求してくる子も増えるってこと」

「そ...それは困るなぁ...
結局どうしたらいいんだろ?」

「一番効果的なのは、好きな人を作ってみんなに公表することじゃない?
もしかしたらファン減るかもしれない。
亜実、好きな人いないの?」

「うーん。
今のところ恋愛はパスで!
青春できればいいし!」

「青春に恋愛はつきものよ。
それにしても夢がない回答をどうも」

「夢がないって...
じゃあ栞はいるの?好きな人?」

「…いるけど?」

「えええ!?うっそ。知らなかった...」

「だって言ってないもの」

「え、誰?」

「あんたに好きな人が出来たら教えてあげるわよ」

「えぇ…そんなぁ....」
(栞に好きな人がいたなんて......
ん〜恋愛かぁ…)


分からないな。
好きって.....….なんだろう。
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