不思議な出会い
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「始まっちゃった〜」
(頑張ろうと言ったものの、
やっぱ暑すぎて…
リレーまで体力温存しとこうかな)
「あ、亜美ちゃん。
こんなところで休憩中?」
「あ、直哉先輩。
休憩という名の体力温存です」
「そういえば聞いたよ?
確かリレーに全力出すから他の競技はなるべく出ないらしいね」
「はい!
あ、でも今年は部活対抗リレーにも出させてもらえる事になったんです!」
「そっか。リレー好きなんだね」
「え!?
あぁ…そうですね!好きです」
「うん、いい笑顔。
俺もリレーまでここで一緒に休んでても良い?」
「もちろんです!
って、あれ?
もしかして直哉先輩もリレーに出ます?」
「そう。部活対抗リレーにね」
「え!?」
「俺はサッカー部として。
バスケ部と勝負だよ?」
「そんなぁぁ!!
直哉先輩、速そう...」
「亜美ちゃん、きっとアンカーだと思ったから俺もアンカーにしといたよ」
「えっ!?なんでですか!?」
「ただ亜美ちゃんと勝負してみたかっただけだよ。
あ、負けた方は勝った方の言う事を1つだけ聞くってのはどう?」
「う〜ん…...わかりました。
良いですよ。
その代わり私、負けませんから!」
「その言葉、ちゃんと覚えておいてね。
俺勝つからね?」
「望むところです!」
そんな2人をよそにセミは鳴き続け、
いよいよ部活対抗リレーが幕を開けるのだった