恋日和
川の流れる音だけが響く。
葉さんが言葉を選ぶ重い静寂を、電話の着信音が押しのけた。
「ちょっと、ごめん」
「どうぞ」
暗闇に、通話中のランプが、蛍のように光っている。
葉さんは「落ち着け」って、繰り返してる。
微かに漏れ聞こえる声は、確かに慌ててるみたい。
「泣くな。綾」
葉さんが言葉を選ぶ重い静寂を、電話の着信音が押しのけた。
「ちょっと、ごめん」
「どうぞ」
暗闇に、通話中のランプが、蛍のように光っている。
葉さんは「落ち着け」って、繰り返してる。
微かに漏れ聞こえる声は、確かに慌ててるみたい。
「泣くな。綾」