恋日和
私の心は落ち着きを取り戻していた。

私達だけ周りの喧騒から弾かれ、静かなベールに包まれているように、穏やかだった。

「葉さん」

こっちを向くのを待って、私は続けた。

「辛かったら、言って下さい。話、いくらでも聞きますから」

「ありがとう」

もうすぐ駅に着く。
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