狼少女の恋愛。
右手が熱で包まれる。
大きくてごつごつした
掌は、那月の成長の証。
小学の頃には
変わらないサイズだったのに。
…なんて、少し寂しくなる。
「外、出るか。」
「へ?」
乃愛を置いて?
「どうせいちゃつきたいだろ。」
「っそ、そんなことないし!」
「乃愛たちが。」
……そっちですか。
はいはい、邪魔なんですね。
「ま、俺らもだけど。」
え。
何か今日、彼氏っぽい。
…いやいや、彼氏ですけど。
今までは幼馴染の延長線。
今は、大事にしてくれてるみたい。
トクトク。
高鳴る鼓動が、
変化を告げる。