死神の邂逅
至極、残念そうに。それこそ、この世の終わりだとも言いたげな。
「お前は、自分の死を無視するのか」
とてもじゃないが死に損ないらしからぬ飄々ぶりには、驚きを通り越して呆れが出てきてしまった。
「べっつにー、無視しているワケじゃねえよ。とりあえず、ま、今はギリっギリっ生きてっけど、日が昇れば死ぬぜ」
「私の正体をなぜ知っている」
「死に間際の俺をじいぃっと熱い眼差しで見続ける鳥がいんだもんよぅ、普通、死神とも思うだろ?」
どこが普通だと言いたくなったが、『こいつ自身が普通ではないのか』と五十鈴はそれで合点をつけた。