死神の邂逅


ボリボリと腹をかく――のはやはりできず、指ない手のひらで腸を捻らせた藤馬が、ぐぶっとむせた。


「っ、見てわかっと思うけど、“死ぬまで死なねえんだわ”、この呪い」


「分からん」


「五十鈴ちゃんは頭堅いなぁ、当然、下も鉄壁なんだろうけど。ま、さておき、もっとかいつまんで説明すりゃあ、俺の寿命は“朝日が昇るまで”。つまりはお日様出ない内は、何しても死なないのよ。

このまま焼かれてもきっと生きているだろうぜぇ。首切られても、心臓潰されても、お日様に当たらなきゃ絶命なんかしない。俺は“死ぬまで笑っていられる”だろうさ」


やけに含みある言い方だが、藤馬がなんでまだ死なないのかを五十鈴は理解した。


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