死神の邂逅


「なんだ、お前。自分に呪いかけて何がしたかったんだ」


統合するに、藤馬はそんな呪いを自身にかけたという、なんとも自業自得で間抜けな結果だと五十鈴は思えたが――今まで飄々としていた藤馬が、唸るように視線を下にした。


「自分でそうしときながら助けろだなんて、お前、ひどく間抜けだな。馬鹿だろう」


「……ちっ、自業自得レッテルの方が胸くそわりいな。へいへーい、どっちにしろSな五十鈴ちゃんは俺を間抜けと言いそうだが、しょーじきに話してやんよ。ついでだ、どうせまだ死なねえだろうし。喋れる内に喋ってやるよ」


観念したかのように藤馬が左腕をあげて、ありし日の過ちを渋々語る。


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