死神の邂逅


ここまでくれば拷問だ、それを涼しい顔でてきぱきとする『クソ野郎』を思い浮かべ、もしかしたら藤馬よりも普通ではないのかとも思った。


「――で?お前は『助けろ』と言うが。お前曰くの、最強な呪いなぞに私がどうこうできるわけがない」


私はただの伐採師だと、五十鈴は言う。


「わーってるよ。五十鈴ちゃんが何もできねえことぐらい。死神は基本、死んでいる人間しか救えないらしいじゃん。

もうこんなになっちまえば、止血云々の治療で済むはずもねえしぃ」


「なら、なぜ私を呼んだ」


「五十鈴ちゃんの膜破いて、元気取り戻す」


「……」


「まてまてまてって!じょーだんっ、軽いジョークだって!マジ行くな!それは洒落になんねえから、おいって!」


< 26 / 85 >

この作品をシェア

pagetop