死神の邂逅
例えられてもちんぷんかんぷんだったが、病院で心電図がゼロになった患者に電流流すみたいなものかと五十鈴は思う。
確かにあれも一種の蘇生だ。心臓が止まることを死だとすれば、理屈には合う。
もっとも蘇生したところで藤馬はまた死ぬような体。今生きているのは呪いのせいであり、朝日が昇れば死に、仮にもそこから蘇生したところで、“死に損なえる呪い”がないとき、藤馬がこの体で生き続けられるとも思えない。
何をしても手遅れなはずだが、藤馬の口が「死なねえ」と口角をあげる。
「とりあえず、五十鈴ちゃんヒーヒー言わすまで死なねえから安心しろや」
「……」
本当にこいつを助けていいものかと今更ながらに迷うが、乗りかかった船だと、五十鈴は降りずにいた。