初恋メモリアル
「ありがと・・・」

寺坂くんは、少し照れたようにはにかんだ。

「何かおれ、原口に避けられてるような気がしてた。
勘違いかもな、ごめん。」

「ううん・・・私もゴメン。」

確かに、言われてみればそうかも。

意識しすぎてたのかも。

「じゃあ明日からはいっぱい話そうな。」

寺坂くんは、また笑顔でそう言うと教室から出ていってしまった・・・

残された私は、何だか呆然としてしまう。

何で・・・。

何でこんなに胸が苦しいの?

寺坂くんと話せて嬉しいはずなのに・・・

胸の奥が、ギューと締め付けられてる感じがする。

「何これ?こんなの・・・知らない・・・。」

気づいたら、私は涙を流していた。

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