花畑の中で
「……御意。」

徳川さんに連れていかれる。

乱暴に連れていくように見えて優しくしてはくれていた。

それが余計に辛かった。

城の庭をずっと歩き、地下へと進む。

暗くて、光のささない場所。ただあるのは蝋燭の灯。

「……あなたも、美沙姫様に言われたのですね。」

一瞬、思考が止まった。
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