りぼん結び。
靴箱について、靴に履き替えようとしたとき私は驚いて止まってしまった。
「え・・・?」
「・・若菜って、音痴だったけ?」
くすりと笑う、直哉が靴箱のところに立っていた。
「えっと、・・・なんでいるの?」
「若菜待ってた。」
「な、んで?」
「一緒に帰るから。」
「そ、そうなんだ。・・・ってえ!?私!?」
私の期待はまだ、裏切られていなかった。
当然私の心拍数もあがる一方だ。
「・・もう遅いから、早く行くぞ。」
直哉はそういって、私の手を握って歩き始めた。
―――・・2人とも、無言のまま細い道を歩いた。