りぼん結び。


「今の誰だよ。」


「え。」


なぜか彼はとても・・不機嫌だった。


私、なんかしたっけ?


「聞いてんだけど。」


いつもより低い声で・・私はさらに戸惑う_____。


「・・類先輩だけど。」


「・・男?」


「う、うん。」


「へぇ。」


・・どうしたのかな。


なんか、直哉が――・・おかしい。



「・・帰ろう?」


「・・あぁ。」



帰るといっても、何か月ぶりだろう。


視線は自然と



――――・・彼の空いた右手にいく。



あの手には、もう触れられないのだろうか。


他の女の子はいいのに・・なんで。


なんで私だけ・・


二人で無言で歩く道は、とてもさみしく見えた。



「・・あ、じゃあ私こっちだから。」


< 13 / 194 >

この作品をシェア

pagetop