りぼん結び。


バシッ



「・・え。」


「送ってく。」


彼の言葉以上に握られた手に驚きを隠せない___。


懐かしい思い出が込みあがってくる




「・・いっいいよ。悪いし!」


「彼氏なら・・当然のことだろ?」


・・”彼氏”なら


なんで、浮気するの?



彼氏なら



なんで、私を見てくれないの?



「ほら、行くぞ。」


「・・うん。」


その右手は・・



きっと、いろんな人と触れ合ったんだろうな。



「なぁ、昨日誰と一緒にいた?」


「え?」


彼は足を止めた。


いつの間にか、私はコンクリートの壁に追い込まれていて____、


目の前には



彼の整いすぎた顔。



< 14 / 194 >

この作品をシェア

pagetop