りぼん結び。
「こんなとこで、いちゃついてんじゃねぇよ。」
直哉が・・いたんだ。
「あれ?大野じゃん。お前も、ここだったんだ?」
そういって、葵はさらに腕の力を強くした。
「いた・・っ」
「・・お前の好きな奴、こいつだったんだ?」
直哉は呆れたように笑って、歩き出した。
「や・・っちがう!なお・・直哉っ!」
私は、必死に葵の腕を振りほどこうとした。
嫌だ、嫌だ!
直哉には・・直哉には誤解されたくない!
私の頭にはそれしかなかった。
「・・若菜。」
「・・っ離して!」
「やっぱり・・あいつを選ぶの?」
その言葉で、私は我に返ったんだ。
「・・ごめん、なんでもない。離してくれる?」
だめなんだ、直哉のことを忘れるって決めたのに・・。
もう、忘れるんだから。