りぼん結び。



――ドンッ



「きゃ・・っ!」



やばい・・っ倒れる・・・!


そう思ったとき、ふわっと鼻にシトラスの香りが通った。



「・・え?」



ちょこっとだけ上を向いてみると、直哉の顔があって・・



直哉が、私を受け止めてくれたんだ。



そう思ったら、嬉くて。



私の心臓はもう破裂寸前だった――。





「・・いつまで、寄りかかってんだよ。」





でも、やっぱり期待はすぐに裏切られて。




「あ・・ごめん、ね!ありがと・・。」




駄目だ、私。


忘れるんだから、直哉なんか好きじゃない。


そう自分に言い聞かせて。


私は急いで彼から離れた。




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