りぼん結び。
「えっと・・・その、これは・・・」
なんの騒ぎかと、教室にいた人たちもドアからこっちを覗いていた。
直哉から急いで離れようとしても、直哉がそれを許してくれなくて。
当然この体制は誤解を招いてしまう。
「ちょ・・、大野君・・っ!」
「・・・何?」
「何じゃなくてっ・・!」
みんなに見られているにも、かかわらず直哉はどこうとしなかった。
今にもキスできそうな距離―――・・。
私の顔は今更だけど、赤く染まっていた。
こんな状況を見られているのだから。
「・・ゴホンッ、委員会はもう終わったので、2人には罰としてここの教室をそうじしてから帰ってください。他の皆さんは、解散していいですよ。」
先生は照れながら、咳払いをして職員室にもどっていった。
周りの視線はまだ私たちに向けられたままだった。