その猫、取り扱い注意

注意事項６

加速する鼓動

あたしの元カレは馬鹿。


そうとしか言いようがない。あたしの時と違って溺愛しちゃってさ。本当に馬鹿みたいだよ。


仲良くご登校する２人。


ユミちゃんが話しかけるのにイツキは恥ずかしいのか素っ気なく返事をする。


しれっとしながらもあいつの顔はほんのり赤い。


初々しいカップルだこと。別に羨ましくなんかないし。あ、やっぱり羨ましいや。


廊下を歩いてるとチアキが女の子に囲まれているのが目に入る。


一番苦労してるのはチアキだ。


ユミちゃんと別れたのはすぐに噂になり、女の子達はチャンスとばかりに告白のオンパレード。


最近は他校の女の子もチアキを見に来たりなんかして大変だろう。


同情しながらもスルーして通る。まさかチアキが声掛けると思わなかったから。



「ナナさん！」


「……(うわ最悪)」