その猫、取り扱い注意
イツキくんの目指してる学校のレベルが高すぎて全く分からない。
「一問もあってないなんてやっぱり馬鹿なのかな
」
「え?ユミちゃんこの問題集って…」
チアキくんがペンを落とすくらい驚いてる。無理もないよ。
「……」
無茶なことだって自分でも分かってた。
いきなり黙り込むあたしを見てチアキくんはケーキを用意してくれた。
苺のショートケーキ。
あたしが一番好きな食べ物。
「頑張ってるユミちゃんに僕からのご褒美です」
彼はなんて優しいんだろう。小さな声で「いただきます」と言い、ケーキを食べる。
苺の甘酸っぱさとクリームのなめらかで濃厚さが絶妙にマッチしてて口の中でとろけるようだ。