その猫、取り扱い注意
なんで傘持ってるの。昨日の天気予報、降水確率半分もなかったのに。
「女の勘」
「なっちゃん天才」
「傘ないんだったら隣の彼に入れてもらえば?」
にやりと口角を上げる彼女の言う"隣の彼"とは…チアキくんだった。
あの時以来だから結構話してない。
いつ見ても彼はカッコよくて周りの女の子達が黄色い声を上げてるのが当たり前だったのに。
今日はどうしたことか。
女の子の軍団はいなかった。
チアキくんはなっちゃんの言葉に引火したように顔を真っ赤にさせてそれから首を横に振った。