その猫、取り扱い注意




今まで特に気にしてなかったのに、チアキがすること全てがユミの為に動いてるような気がする。


俺だって、好きだけど。


チアキの想いと比べたらちっぽけなものに見えてくる。



「大丈夫だよ。まだばらまいてないから」


「は?」


「別れるって言ったらすぐにばらまくから」


「何が言いたい訳」



この女はやたらとユミとチアキの話をしたがる。


俺は曖昧な返事しか返さないし聞いてないけど。



「あたしを見て、イツキ」


「なんで」


「心があの子のものなら身体はあたしのものにしてよ!」


「抱けって?」


「そうだよ。抱いて。めちゃくちゃにして!」



流れる涙に手を伸ばさず、肩を掴んで身体を床に押し倒した。


これで満足?


お前の気が済むまで抱いてやるよ。



た だ し 、 キ ス は し な い

( ご名答。俺はあいつだけ )





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